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泣いた。

思い出した。家族に対する気持ちを。

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WOWOW 連続ドラマW「空飛ぶタイヤ」を観た。主人公がついに手に入れた証拠を大手自動車会社に押しかけて突きつけるシーン。一瞬、フラッシュバックした。10年以上前、某国から帰ってきたその日。成田からそのまま母方の祖父母の家へ行った。祖父母の家の改修をした工務店がボッタクリで、その会社の社長が家に来るのでうちの父親に交渉をして欲しいということで、別の用事がある母を置いて父と二人で行ってきた。最初のうちこそ、私は全然専門外だし若造がいたらナメられるだけだと思い、別の部屋にいた。ところが、いつまで経っても父親は穏やかなまま。相手はのらりくらり。あーーー、もう埒明かねぇなぁ・・・と思ってイライラすること1時間以上。気がついたら、畳叩いて、立ち上がって、啖呵切ってた。

「ウチの父親バカにすんのもいい加減にしろ!」
「年寄り相手に湿気た商売してんじゃないよ!」

相手の社長、ビックリ。父親もビックリ。もちろん祖父母もビックリ。その後、父親が自分の仕事内容を話し、その会社がやっていることがどんなにインチキなのかを証明し、そこにそんな値段が発生するわけもないことを分かっていることも伝え。それでも、社長がごまかして煙に巻こうとするたびに「そんな話はしてないでしょ。」と冷静に突っ込みをいれ。結局、私みたいな素人が見たって、常識で考えれば分かるようなことを、どう頑張っても正当化なんてできないし、あんたの商売方法がどんなに間違っているのかを懇々と説教してやった。その時の私、弱冠23歳。そして、その社長、推定65歳。どこまでも逃げ通そうとする社長の言い分が、だんだん怪しくなってきた頃。後ろに、ずっと黙って座っていた、その会社の若い事務の女性が泣き出した。

「社長、やめましょう。もうこんなの嫌です。この方たちが言ってることが正しいと思います。」

それで、すべてが収束。こちらで相場というか常識的な値段を言って、そのまま言い値で請求書を発行させ、それを支払った。

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このところ、そんな熱い思いを家族に抱いたことがない。3年前の「あの日」を境に、そんな思いは抱けなくなった。そんな自分がいたことも忘れていた。今、家族に何かが起きた時、私は動けるんだろうか。動こうと思えるんだろうか。

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