頭痛が始まって丸7年が経ちました。そして、頭痛で推拿に通い始めて1年が経ちました。一時期はだいぶ改善したし、今も前に比べればだいぶマシにはなったんだけど、まぁ、未だ「生活に支障の出る」レベルの状態で、特に11月12月はかなり頻繁に寝込んでました。しかも丸一日寝てても頭痛・吐き気共に収まらず、いくら同族会社で働いているとはいえ、社長に気を遣わせてるってどうなのよ?と思い詰めずにはいられません。
いつだったか新聞で読んで以来気になりつつも、検査も自費だし(新聞掲載当時の話で今は検査は保険適用、診断が下って治療を始めたら検査に遡って自費になるらしい)、検査そのものも痛そうだし…と意図的に避けてきた『脳脊髄液減少症』かどうかを確かめに、再び西洋医学の門を叩いてみました。
予約が取れたのが電話を入れて2週間後。久しぶりの脳外で若干緊張しつつも問診が終わり、とりあえずCT撮影をすることに。なんか普段とは違う切り口で撮ったそうで、でもそれを見る限りでは髄液が漏れてる様子はないけど、消去法で最終的にここにたどり着いたんだろうからとりあえず入院して検査しましょうかということになりました。
1ヶ月間、針を刺されて痛いのは嫌だけど“どうせ違うし”、違うってハッキリした方がいいし!と自分に言い聞かせながら過ごしました。入院当日は朝9時に受付なので、頭痛で遅れることのないように近くのホテルに前泊して。しかもホテルに向かうその日に朝から吐きまくってたので推拿の先生に鍼を打ってもらい、フラフラの状態でグリーン車で東京まで出ると、なんだか診断が下る確率が上がった気がして嫌な気分でした。
検査当日、受付を済ませて病室へ。採血をした後、しばらく待たされ、10時半頃先生がやって来ました。左を向いて横になり腰を曲げた状態でまずは麻酔を打たれます。盲腸の手術をした時の麻酔の痛みを覚えているので、それに比べれば!と思いつつ、看護師さんが事前に持たせてくれていたタオルをギュッと握りしめながら耐え抜いた…んですけど、その後、髄液を抜くために針を刺した時もまた痛いなんて油断してました。
圧を測るためにしばらく時間と髄液の量を測った後、今度はインジウムという放射性同位体を投与され、15分ぐらいうつ伏せになった後はしばらく絶対安静。1、3、5、24時間後にRIシンチ室というところへ歩いて行って漏れを確認するための撮影をしました。
装置に囲われてない(けど、顔から3cmも離れていないところに大きな撮影機器があるのでけっこうな圧迫感)MRIみたいな感じで、15分間、音もなくただひたすら動かないように目を閉じてるだけです。でも、毎回気持ち悪くなって、それが動かないようにしていたせいなのかインジウムを投与したせいなのかは分からないけど、病室に戻ってから30分ぐらいは呼吸が荒いままぐったりしてました。
食事後も同様な状態だったけど、それを除けば思ったより痛みもなく、いつもより頭痛も少ないんじゃないかというぐらい。夜にちょっと微熱が出たけどそれっきり。翌朝、お昼とも普通にゴハンを食べて、最後の診察に向かいました。
画像を見る限りでは、漏れている様子はないですね・・・ということだったので「やっぱりね」とホッとしたのもつかの間。イマイチ説明がよく分からなかったんだけど、診断の基準にする値というものがあって、その値は“30”がボーダーラインなんだそうです。で、私はと言うと・・・ボーダーギリギリの29.7とかそのぐらい。そして、時間を追って撮影したインジウムが、どうも膀胱に達するのが通常よりも早かったらしく、その2点から、髄液が漏れてないとは断言できない、と言われてしまいました。
明らかに脳脊髄液減少症「ではない」人の数値はどのぐらいなんですか?と訊いたところ、健康な人はそもそも検査なんて受けないので、基準となる数値がないとのこと。健康なのにお金をもらえるからって痛い目に遭ってくれる人なんていないでしょうって。(それってどうなの?って思うのは私だけ?)じゃあ、頭痛いし、もしかしたら脳脊髄液減少症かもしれないと思って検査を受けたけど、明らかに違いますねって言って帰って行った人の数値はないんですか?と訊いたら、もちろん40とかそういう人もいますよ、とのこと。何が30とか40とかなのか、そもそも単位が何なのか、聞きそびれてしまったんだけども、とにかく、私は「脳脊髄液減少症ではない」というお墨付きをもらえませんでした。
で、じゃあどうしましょうって話になるんだけども。もし脳脊髄液減少症だと確定された場合、ブラッドパッチと言って自分の血液を硬膜と背骨の間に注入するんだそうです。血液が固まって糊の役割を果たし、漏れている箇所の穴を塞ぐ・・・ということらしいのですがブラッドパッチを行ったからといって必ず直るわけではない(改善率は7割ぐらいらしい)。さらに、もし本当は脳脊髄液減少症じゃなかった場合、痛い思いをして、直りもせず、さらには自分の血だっていったん外に出てしまえば異物と認識されるわけで、炎症が起こるかもしれないし、腰椎穿刺をして万が一下半身不随にでもなったら目も当てられないんじゃないか・・・とか、いろいろ考えちゃうわけです(これは、検査の時にも嫌になるほど考えました)。まぁ、案ずるより産むが易し、とも言うし、お医者さんを信用するしかないんだけども。
結局、とりあえず1ヶ月様子を見ましょう。今回、少しとは言え髄液を抜いたので、もし本当にこの病気であれば症状がひどくなるはずなので、そしたらまずはブラッドパッチではなく生理食塩水を入れてみましょう。それで良くなってしまう人もいるし、全然改善しないようであれば本格的にブラッドパッチをしましょう、ということになりました。
正直なところ、「間違いなく脳脊髄液減少症ではありませんね。他の治療を考えましょう」という話になるつもりでいたので思いがけずショックを受けました。入院までの1ヶ月間、もし本当にそうであれば思い切ってブラッドパッチをしてもらおうと決意はしていたのですが、まさか「どっちか分からない」という答えが出てくるとは!さらに1ヶ月、先延ばしですか。私、こういうのホント苦手なんですけど。
実際には、退院後しばらく頭痛も吐き気もなく、頭痛が戻って来てからも、むしろ検査前より軽くなったので髄液抜いたからひどくなるんじゃなくて良くなるってことは、もしかして逆パターン??吐いた後少しの間だけ楽になるのも、圧力が下がるせいじゃないの???と勝手に思い始めました。
1ヶ月後、それでもやっぱり頭は痛いので、とりあえず生食から始めることになるのかな・・・でももし逆パターンだったらかえってひどくなっちゃうんじゃないのー?と思いながら、結局どうすべきなのかちっとも決められないまま診察室へ。
で、どうでした?ひどくなりましたか?との質問に、むしろ軽くなりました、と答えたら。「じゃあ、違いますね。脳脊髄液減少症ではありません。ということで、診察は終了です。もう来なくていいですよ。」
・・・は?・・・終わり?・・・まだ痛みは直ってないですけど?何、このあっさり。脳脊髄液減少症以外の患者は見ないってこと?そんなのあり?いくらなんでも割り切り過ぎじゃない?
最初の診察の時に、以前後頭神経痛を疑われて、小後頭神経にブロック注射を打ってもらったら1ヶ月ぐらいは頭痛が消えてましたって話をしたんだけど、上司の紹介で行った病院であまりに家から遠かったので近所の脳外に行ってその話をしたら、神経痛ではあり得ないからブロック注射なんてしないって言われたと言ったら病名なんて何だっていいんですよ、要は痛みが取れて直ればいいんですからって心強いこと言ってくれたのに!最近はボトックスも痛みに効くと言われてて、最終的に紹介することも出来ますよって言ってたのに!
最後に、ブロック注射の話をしたら、今回はしてもいいですよって言われて実際注射もしてくれたんだけど次からは別のところに行ってくださいねって、そんなこと言う医者は初めてだよ。また一から説明して、検査もして・・・っていうのは嫌なので、ここに来てはいけませんか?と食い下がったんだけどね。まぁ、そんなに言うなら来てもいいですよ、ということにはなったんだけど。
麻酔(ブロック注射)が切れた後、痛みがひどくなりまして。注射の跡の痛みだけじゃない感じで。前は一切そんなこともなくて、注射した時ですら痛みもなかったので、実は腰椎穿刺しか普段してないからその他の手技はあんまり上手じゃないんじゃ・・・と思ったので、今後は行くのをやめようと思いました。もしブロック注射して欲しくなったら、遠いけど前のところまで行こうと思う。たびたび行かざるを得ないぐらい症状が悪化したら、ペインクリニック宛に紹介状書いてもらうとかすればいいや。
というわけで、昨年末から続いていたどっちつかずの不安な毎日は、とりあえず終了です。私は脳脊髄液減少症ではありません!と胸を張って言える日が来ただけでもよしとします。
ちなみに、腰椎穿刺をして1ヶ月半経ちましたが、未だに注射の跡が痛みます。ずっと傷跡が痛んでるんだと思ってたんだけど、もうカサブタすらないので、どうやら中が痛んでるらしい。不意に前屈みになった時や伸びをして後ろに反った時とかに、激痛ではないけど痛い。長くても3ヶ月ぐらいで痛みは取れるらしいですが。
そして、髄液を採ってひどくなるのではなく軽くなる逆パターンってことはないですか?と訊いた時に軽く笑ってあしらわれたんですが、帰宅後に検索してみたら「水頭症」という有名な病気がそうらしいということが分かりました。もしそうだったら、もっと前にCTやMRIで判明していたはずだし、明らかに違うわな・・・と思ったけど先生もそう言ってくれればいいのに!本当に脳脊髄液減少症しか眼中にないんだなぁ、きっと。
それにしても・・・他の患者は診ないって、もちろんこの病気は本当に辛いと思うし、患者数も多いだろうし、専念してくれた方が患者にとってはいいことだけど・・・診療科名変えた方がいいんじゃないかね、と思いましたとさ。
【追記】
ホームページで確認したら、脳脊髄液減少症だけではなく、水頭症の方もきちんと診てるみたいです。いずれにしても脳脊髄液関連が得意分野というか、それ以外は診ません、なスタンスなのかもしれません。
Be First to Comment