今年はよくピアノを聞きにコンサートホールへ足を運びました。最後は、12月12日にすみだトリフォニーで聞いたクリスティアン・ツィメルマン。今年はドビュッシーイヤーということもあり、ドビュッシーメインのプログラム。
ドビュッシー/版画より
1.パゴダ 2.グラナダの夕べ 3.雨の庭
ドビュッシー/前奏曲集第1巻より
2.帆 12.吟遊詩人 6.雪の上の足跡 8.亜麻色の髪の乙女 10.沈める寺 7.西風の見たもの
シマノフスキ/3つの前奏曲(「9つの前奏曲 作品1」より)
ショパン/ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
これまでピアノのコンサートに行くと、フラッシュバックが頻発するし、それに付随していろいろな思いがが去来して自分の不甲斐なさに涙ぐみ、「そこにいるのにいない」という状態になるのが常でした。が、最近ようやく曲に入り込めたり、曲を感じることができるようになってきたところでの今回のツィメルマン。いやーーー、楽しかったです!まさに身体全体が指になっているのを目の当たりにして感動しきりだったところへ最後のショパンの最終楽章で低音のテーマが出てきた瞬間には鳥肌が立つほどでした。久しぶりにピアノ音楽そのものの素晴らしさに涙が出ました。
音楽は聴くものだけど、視覚から入ってくるものもやっぱり大事だなぁ。弾き方、指や身体の使い方で音が全然変わるし、ずっとCDで聞いていた音楽に視覚が加わると情報量も一気に増えるし、勉強にもなる。素敵だった、感動した・・・は多々あれど、楽しかったと思えたコンサートはペライアに続いて2度目!なんか、どうでもいい例えだけど、我が家の初CDはa-haのHUNTING HIGH AND LOWだったんだけど、Take On Meを何度も何度も聞いていたその年の世界紅白歌合戦にa-haが出演していて耳だけで何度も聞いていた曲がTV画面の中で実際に人が演奏して歌っていたのを観た時の感動に似てる(笑。
それにしてもレッスン受けたいなぁ、とつくづく思いました。(あ、ツィメルマンのレッスンという意味ではありません。)練習は好きじゃないけど(笑)レッスンは大好きだったんだよな。先生の一言でがらりと変わる自分の音にアドレナリンが出っぱなしになるので、レッスン後はやたら饒舌になってたのを思い出した。
そして、ツィメルマンは本当に素晴らしいピアニストだし、今回のコンサートも大成功だったと思うけど観客に向かって演奏するタイプではないんだなと思いました。自分と、そしてピアノと向き合って会話をしながら弾いていたように感じました。まぁ、だからどうこうっていうのではなく、そう感じただけですが。それでも伝わってくるし、聞いている人を感動させてしまうってのもまたすごいです。